セイバー使い始めた人の少し怪しい、2018年楽天セイバー分析 投手編 青山浩二
2018年と平成もあとわずかですね、メッカンダです。
平成最後の年の締め括りは、今年復活して勝ちパとして大車輪の活躍を見せた、楽天の大ベテランこと青山浩二投手です。
去年も後半から14試合無失点で復活の兆しを見せてましたが、今年は安定した投球で勝ちパの一角を担い、福山、松井を欠く中ベテランらしく試合を作りあげていきました。
2017年かな、マウンドに上がると(楽天ファンから)悲鳴が上がるシーンもあったので、よくぞ復活してくれた、という思いも強いです。
今回から成績の取り上げる項目をホールド、四球、三振、自責点に変更しました。
では、2018年の成績をどうぞ。
投球回48回に対してホールドを28回も記録しているのが、勝ちパとしての風格を感じる成績になっています。
ちなみに2017年の防御率は2.30、齢35歳にしてステップアップする投手とは恐れ入ります。
それでは彼の復活劇をセイバーで分析してみましょう。
さて数値を見てみると、防御率とFIPの差に気づきます。そこからFIPと失点率の差を見てみると、-1.50という数値。被BABIPとLOB%も併せてみてみると、確変かもしれないのか・・・、といった感じです。
BB/9は平均より高いですが、WHIPが低いので投球回数から見てみると打者が出塁していない、つまりヒットが打たれてない、ということでしょうか。ただ三振率のK/9が平均的なので打たせて取っているのか?いまいち判断がつかないが、ここに今年度の成績の肝がありそう。
そこで注目するのがK/BB、自分はここでコントロールの良さを表す指標としてみていましたが、三振Pか打たせて取るPかわかる指標でもあるそうです。
青山選手はこの数値が低いので、打たせてとるPということがわかります。このタイプだと被BABAPが低くなるので(黒田などが典型例)、2017年からスタイルが変わっていないことがわかります。
さて被BABAPとK/BBが下がったということは、打たせて取る投球術をより磨いたということになるでしょう。その理由を探っていきましょう。
今年度で注目したいのは、シュートの割合です。2017年は投球で2% だった割合が、5%も増えています。スライダーとシュートは変化方向が逆ですので、元々スライダーPだった青山選手には大きな武器になります。
というはシュートを組み合わせることで、空振りが取れるスライダー、ストライクが生き、相手に狙い球を絞らせないことができるからです。
そしてもう一つ、彼の投球内容で目を見張るものがあります。それがこちら。
彼の得意な対右打者のコース別被打率ですが、かなり外角に投げ込んでいる数が多いのが分かるでしょうか。
内角と外角をシュートとストライクを投げ分けつつ、最後は外角のスライダーで空振りに取るピッチングですね。つまり見せ球、カウント玉としてシュートが非常に生きているわけです。ストレートの空振り率が2017年と比べて2%UPしたのも、その副作用だと思います。
シュートを覚えたことでより打者を打ちとる幅が広がった、というのが今季の好成績の理由でしょう。
来期も個の投球術を生かして、ベテランの活躍を期待したいですね。個人的にこういう渋いベテラン選手は大好きなので、まだまだ活躍を見たいところです。
2018年もあとわずかですね、来年もちまちまとですがセイバー分析、オープン戦までに更新していければと思っています。年始中にまた更新したいと思います、来年1発目はフランク・ハーマン選手でいきましょう。
それでは皆さん、良いお年を。