楽天鈴木大地は活躍できるのか?~素人がセイバーから見る2020年予想~
皆様、お久しぶりです。
今回は楽天に交換トレード移籍して来た鈴木大地選手が、来年楽天にどのような影響を及ぼしそうか、という点をセイバーなどから考察致します。
相変わらずセイバー素人の観点からなのと、調子などで大幅に成績は変わるんであんまりあてにしないでね。
1.鈴木大地選手の打撃傾向
ではまず鈴木大地選手の19年度成績から。
特筆すべきは今年キャリアハイを更新した本塁打、出塁率、OPS。
出塁率、OPSともパリーグ10傑に入るレベルに達しています。
地味に四球数と2塁打数(34)も過去最高をたたき出し、長打力を開眼させたことが伺えます。
今年ZOZOマリンではホームランラグーンが導入されたことも長打力向上につながったきっかけでしょうか、そこは後ほど詳しく見ていきましょう。
続いて彼の打撃スタイルを見てみましょうか。
引用元:http://nf3.sakura.ne.jp/index.html
https://baseballdata.jp/
データを眺めていくと特徴として
- 高めに強いプルヒッター
- 内角・真ん中低めが苦手(後者はおそらくフォークとかの影響)、ただし内角甘めは長打の可能性あり
- ストレート・シュート系などの速球に強め
- 縦変化量が大きい球種が苦手
- 空振り率(ストライクゾーン空振り率4%!)の低さから見るにミートが非常にうまく、かつゾーン管理(ボール見逃し率80%)も徹底している。
という特徴が浮かび上がってきます。
フライのアウト比率が高いのはやはりホームランラグーンとフライボール革命を意識してのことでしょうか。
ボールの見極めも上手く、かつコンタクト率が高いのは、楽天だと島内選手が挙げられます。
今季の楽天打線は浅村・ブラッシュを筆頭に出塁率の高い打者が多かったので、鈴木大地選手の加入はチャンスメイク・打点力に大きく向上しそうです。
続いて走塁面。
引用元:https://1point02.jp/op/index.aspx
走塁指標は聞きなれない単語が多いと思いますので、簡単に説明を。
spd:盗塁・三塁打・得点から導き出す足の速さを測る指標。平均は4~5。
UBR:走塁による得点貢献を測る指標。
wsb:盗塁による得点貢献を測る指標。
さてデータを見ていくと
- 走力は平均よりやや劣り、盗塁は基本はしない。(19年度は企盗塁数4)
- spdの割にUBRが高いので走塁・打球判断が上手いと思われる。
おそらくですが、脚力の足りない部分を野球脳で補っているタイプかと思います。
盗塁数も少ないですが企盗塁数4に対し3盗塁を決めるなど判断は悪くありません。
楽天は走塁・盗塁指標とも悪い打者(銀次・島内など)が多く、3塁生還率の低さ(12球団ワースト)もあり高い出塁率を生かし切れていない傾向があります。
その現状に対し、鈴木大地選手の走塁は大きな強みとなる可能性があります。
2.楽天打線のどこが適任か?
ざっと打撃と走塁を探ってみると個人的に思ったことがあります。
それは楽天打線の2番を担えるのでは?という点です。
2019年楽天は2番打者の扱いに苦労し、やりくりを四苦八苦しておりました。
理由として2番打者に当てはまる打者(足の早い・左打ち・強い打球が打てるプルヒッター)がなかなかいないという点で、出塁率が高く左打ちの島内・銀次は両者とも足が速いとはいえず併殺機会を作りがちでした。(チーム併殺数はパリーグ1位)
足の速い辰巳・田中和をおいても成績が伸び悩みも絡み2番が上手く機能せず、最終的には茂木・島内の並びで落ち着きます。
さて島内選手と鈴木大地選手の違いを比較しておきましょう。
両者とも左打ちでコンタクト力が高く、長打が打てるが足がそこまで良くないという特徴があります。
この両者の大きな違いは打球方向とアウト内容になります。
島内選手の打球方向・アウト内容まとめ
引用元:http://nf3.sakura.ne.jp/index.html
島内選手は打者としてはプルヒッター寄りですが、レフトセンターにも打ち分けられるのがデータからわかります。一方でゴロアウト率がフライアウトよりも高めになっています。
一方、鈴木大地選手はライト方向が50%を超えるプルヒッターであり、かつフライ>ゴロを示すフライヒッターでもあります。
2番打者の求められる要素である強い打球を打てるプルヒッターにマッチしているという点では、鈴木大地選手が適していると言えます。
楽天の来季打線は
1.茂木
2.鈴木大地
3.浅村
4.ブラッシュ
5.島内
6.銀次
が今のところは良さそうです。
3.来期成績にかかわる要素のまとめ
来期の成績を考えるにあたって、個人的には大きく2つの要素が絡んでくると思います。
まず一つが対楽天から対ロッテの投手陣に変わること。
今年の球団別成績を見ていきましょうか
日ハムに次いで、楽天投手陣からも荒稼ぎしていましたのが分かります。
で打たれた投手陣のメンツを見ていると・・・。
引用元:http://nf3.sakura.ne.jp/index.html
お前か・・・。
確かにストレート・シュートがカウント玉の美馬は、相性が良くないと思ってましたがまさかここまでとは。
他にも森原(.286)や松井(.500)、岸(.333)など打たれたピッチャーはいますが、10打席以上の対戦があるのは美馬・石橋(.222)の二人なので、まず美馬とは相性がいいといって良いでしょう。
さて残るはロッテのローテPとの相性はどうでしょうか。簡単に表にまとめてみました。
※得意球種を青、苦手球種を赤 被打数10以上の球種のみ表記
記事を書いているうちに、衝撃の涌井金銭トレード・・・。なので涌井選手の項目は省きます。
石川ですが、今年のシュートの被打率が5割近いのでそもそもシュートを生かし切れていない印象。シンカーも対戦級数が少ないですが、打率はよいので美馬・石川当たりにはいい成績を残せそうです。
さて残りの投手陣は二木を除いて1年通した実績がないものの、好成績を残せそうなメンツばかり。個人的には種市・西野が怖いですね。
今年の球種別傾向を振り返ってみるとスライダーに対しては本塁打3本を記録しており、甘く入れば飛ばせるのが分かります。ただし空振り率が17%ほどあるので、得意かどうかは難しいところ。
ですのでロッテ投手陣のスライダーに対しどこまで対処できるかが肝になりそうです。
2点目は鈴木大地のアウトの傾向にあります。
さっそくここ3年のアウト内容を見ていきましょう。
3年連続でアウト内容がフライが多い、球を打ち上げることを意識しているのがわかります。
なぜここ3年のアウト内容を確認したかというと、フライ比率が高いバッターこそOPSが高くなる可能性が上がるという理論があるからです。
詳しくは是非記事を確認していただきたいのですが、
ざっくり説明すると「ゴロを打つとOPSが下降に、フライを打つとOPS上昇につながる傾向がある」というフラレボを裏付ける理論になります。
で何が言いたいかと言うと、ここ3年のフライアウト比率が高い鈴木大地選手はOPSは上昇あるいは高水準保てる可能性が高いということです。(もちろんアウト比率が変われば落ちる可能性もあります。)
あと個人的にはホーム球場の差がどうでるかも気になっています。
ホームランラグーンができ、ヒッターズパークになった(と言われる)ZOZOマリンから楽天生命パークに移り、HRなどが出にくくなりそうかな、と予想しています。
2019年PF
引用元:https://ranzankeikoku.blog.fc2.com/blog-entry-2546.html
まだ長期でPFの傾向が出ていないのでZOZOマリンがヒッターズパークになったとは言い切れないですが、この1年だと長打が出やすい傾向があります。
今年の楽天生命パークは真逆で長打が出にくい傾向にありますが、通年で見ると本塁打PFが高く二塁打・3塁打PFが低い傾向にあります。
なので鈴木大地選手の影響としては2・3塁打がややマイナスに、本塁打がプラスの補正がかかりそうです。
4.総括
まず個人的な見解として、来年の彼の成績は打点が伸びる可能性が高いと予想しています。
理由として、今年の楽天野手陣は出塁率が高い傾向にあったからです。(.333でパ2位)金森打撃コーチの影響もあり全体的に球を見る傾向になってきているのもあるでしょう。
今年のHR数15本を超えるかどうかはやや判断が難しいところです。今年は交流戦で6本も稼いでおり、対戦相手が楽天からロッテ投手陣に代わる影響も大きいです。
ただし楽天生命パークのホームランの出やすさは、今年のZOZOマリンとそれほど変わらない数値である為、2桁本塁打は維持出来ると予想しています。
そして、OPSはアウト比率がこの3年間と同じぐらいであれば同程度ぐらいには収まるかなっと思ってます。
2020年の成績予想はずばりこちら。
打率:0.280 本塁打:11 打点:78 OPS:0.810
ロッテ投手陣と対戦でやや成績が下降することを予想していますが、来年オリンピックでペナントが中断するためバテるなどの影響は出にくそう(今年は9月バテバテで調子を落としていた)、3番浅村がいることで勝負される機会が増えてることなどを踏まえると、イーブンぐらいになると踏んでいます。
来年の優勝の鍵になると個人的には思ってるので、これを上回る活躍をしてもらいたいとは思っています。来年の彼の活躍を楽しみにしています。
それでは。