魔女の秘密展という猫の皮を被った宗教裁判展の感想(イメージ崩壊注意)
どうもメッカンダです
Mr.robotの記事について取り上げる予定でしたが、
その前に今日行ってきた魔女の秘密展の簡単な感想を述べていきたいと思います。
きっかけは某中世大好き漫画家のツイートから。
まあその作家さんは魔女を取り扱う宗教裁判での拷問器具について述べてたから察していたけど、
そのものずばり「宗教裁判と民間信仰展」と言い換えた方が内容を把握できるよね。
そこを日本の魔女イメージで売りだして、漫画家の魔女イラストやコスプレブースを作って中和させる制作側は有能と言わざるをえない。
もし興味持たれた紳士淑女がいらっしゃたらそこら辺注意。
まあ個人的には、複製でも海外の貴重な資料とちゃんとした解説があってテーマにそって展示が行われていたので十分に楽しめました。
魔女の西洋画のタッチとか結構好みでしたし。
魔女狩りを中世大衆のヒステリーだという言説がありますが、自分としてはヒステリーと簡単に断ずるのは違う気がするのをこの展示会で感じたり。
科学的思想が広がる以前は、「淀み」なり「魔女」だとかで悪化させる原因を抽象的に特定、排除する流れがあるんですよね。そしてその中にプロテスタント、カトリックの宗教的紛争と気候の悪化、ペストの蔓延が連なる中で、「魔女」が原因として全ての責任を押し付けられると。魔女狩りが多かったドイツは当時戦争で荒廃し、共同体として崩壊しかかっていた事も考えると、そんな中での異分子・あるいはよそ者の排除と考えることも出来るかもしれません。
「魔女」の鷲鼻がユダヤ人を示していて、実は民族差別にも繋がるとか言う言説を見ましたが、今回の展示ではその要素については言及されていませんでしたが、いやはや果たして・・・。(協力国がドイツなので遠慮があるとも考えられますが)
あと中世で宗教の扱っていた分野も幅広さも興味深かったですね。医療や精神病患者の治療、戸籍管理や裁判なども宗教が担当する範囲だったことも考えると、一般市民視点での宗教観の影響の大きさも窺えます。ここらへんも魔女狩りに影響していたのが展示を通してよくわかりましたね。
魔女は宗教が取り扱わない薬学関連の知識者で、宗教界から見れば商売敵であり、宗教側からみればよくわからないから魔女、悪魔と契約扱いとか。
中世の闇も含めて歴史が大好きな方は、十分見に行く価値はあると思います。
しっかしなんで、吹き替え音声が大石蔵之助だったのだろう。